【シャドバ】アーキタイプとメタゲームについてつらつらと
2017年11月29日 シャドウバース最近シャドウバースにはまっているんですが、そういえばシャドウバース絡みで基礎的な戦略記事って無いなと思ったので、Twitterにて聞いてみたんですが、そこそこ需要がありそうな雰囲気だったので拙い知識を総動員して書いてみました。
AA帯以上の方は経験的に把握してる方が多いと思うので、知ってる内容が多いかと思いますが、ご了承いただけたらなと思います。
今回はアーキタイプとメタゲームについてです。
アーキタイプについて
アーキタイプとは?
→数多くあるデッキを似たタイプごとに分類したものです。
伝統的に以下の3大アーキタイプがよく使われてきたが、最近はより細かく分類した6大アーキタイプが主流となっています。
3大アーキタイプ(説明は簡易)
・ビートダウン
フォロワーで攻め立てる攻撃的なデッキ
・コントロール
スペルやアミュレットも多く採用した防御的なデッキ
・コンボ
特定のカードの組み合わせで一気に勝ちに行くデッキ
ビートダウンの分類の曖昧さ、ビートダウンとコントロールの中間のデッキなど、分類しにくいデッキが多いため、6大アーキタイプの分類に発展していきました。
ここから、6大アーキタイプの説明に入ります。
()内は主なデッキタイプとなっています。
フィニッシュターンは読んで字のごとく、ゲームを決定づけられるターン数です。
・アグロ(アグロエルフ、アグロヴァンプ、アグロロイヤルなど)
1〜3コスト程度の低コストのカードをメインとして、手数で押すタイプの高速デッキ。
基本的に攻撃的なカードのみで構成されており、爆発力が高いが息切れしやすいです。攻めに回る時は強いが、相手に凌がれると一気に脆くなる傾向があります。
フィニッシュターンは5〜7ターン
初動が遅いコントロール、コンボ、ランプに有利。ゲームスピードが近くカードパワーがこちらより高いミッドレンジに不利
・ミッドレンジ(ニュートラルエルフ、マーズロイヤル、ヘクターネクロ、疾走ドラゴン、エイラビショップなど)
4〜6コスト程度の中コストのカードをメインとしつつバランスよくカードを使用した中速デッキ。
デッキ内の採用カードのバランスが良いため、相手に合わせて攻撃的な動きと防御的な動きを切り替えやすいです。
フィニッシュターンは7〜10ターン
ゲームスピードが近くカードパワーがこちらよりやや低いアグロに有利。除去が多く、こちらよりカードパワーが高いコントロールに不利
・擾乱的アグロ(土ウィッチ、疾走ビショップ、復讐ヴァンプ、原初ドラゴンなど)
2〜4コスト程度のやや低コストのカードをメインとし、相手の妨害をしながら効率よくダメージを与えていく中速デッキ。
ミッドレンジと比べ、低コストカードと除去や火力カードの比率が高いです。そのため、序盤から相手の動きを牽制しつつテンポ良くダメージを与えることが可能となります。
手札が噛み合えばどのタイプのデッキとも戦えるが、器用貧乏な側面もあり、攻撃に特化したアグロや防御に特化したコントロールに押される事も多いです。
フィニッシュターンは6〜8ターン
調整次第でどのアーキタイプとも大きな相性差はつきにくいです。ただ、それは「このデッキにはだいたい勝てる」ことが無いということでもあります
・コントロール(コントロールヴァンプ、イージスビショップ、ネフティスネクロ、冥府エルフなど)
低コストのカードは防御的なものを使用し、相手の動きをひたすら妨害した後に、カードパワーの高い高コストカードでフィニッシュを狙う低速デッキ。
高コストカードが多いため、序盤に一気に攻められると脆いが、中盤以降は相手の動きを全否定し盤面を制圧できます。
フィニッシュターンは8ターン目以降
カードパワーがこちらより低いミッドレンジやカードパワーは高いものの大味な動きの多いランプに有利。初動が速いアグロやこちらより先にゲームを決めてくるコンボに不利
・ランプ(ランプドラゴン、魔界ドラゴンなど)
実質ドラゴン専用のアーキタイプです。序盤はPP加速をメインで行いつつ守りを固めて、中盤以降に高コストカードを連打して一気に主導権を握る中〜低速デッキ。
序盤の加速に成功すれば6ターン目以降相手よりPPを2〜3多く使用できるため、手数とカードパワーで一気に形成逆転できます。
しかし、高コストカードと低コストカードが多い構成上、引きが噛み合わない事も多く、事故率は高いです。
フィニッシュターンは7〜10ターン
カードパワーがこちらより低いミッドレンジに有利。ゲームスピードがこちらよりやや速いコンボに微不利。こちらの動きを的確に捌いてくるコントロールと初動が速いアグロに不利
・コンボ(超越ウィッチ、OTKエルフ、骸ネクロ、ディスカードドラゴンなど)
序盤はドローと防御に徹し、中盤以降に特定のカードの組み合わせで一気に勝ちに行く中〜低速デッキ。
相手に妨害されづらく、コンボパーツと条件が揃えば相手を一気に倒すor圧倒的優位な盤面を形成できますが、序盤はコンボパーツを集めることが優先されるため、序盤から攻められると脆いです。
フィニッシュターンは6〜10ターン
ゲームスピードがこちらより遅いコントロールに有利。初動が速いアグロに不利
各アーキタイプの特徴は以上となります。
これらの特徴を理解する事で、後述するメタゲーム上において立場の良い(=勝ちやすい)デッキを選びやすくなります。
メタゲームについて
『先週は○○デッキとよく当たったが、ここ最近は全然当たらない。逆に××デッキとよく当たるように感じる。』
A帯以上のランクマッチをやる方は少なからず上の経験があると思います。
これは、「今の環境なら○○デッキを使えば勝てそうだ」「○○デッキが増えてきたからそれに有利な××デッキを使えば勝てそうだ」と考えて実行するプレイヤーが多いからです。
このように、「『周囲で多く使用されているデッキ』に有利がつくデッキ」を各プレイヤーが選択し、定期的にそのデッキの立場が入れ替わる状況の事をメタゲームと言います。
メタゲームはどんどんと変遷するため、ある時期に以前と同じ状況になる事もよくあります。
(例:Aに強いB→Bに強いC→Cに強いA→Aに強いB)
このメタゲームの変遷をうまく読み切って、立場の良いデッキを選択する事が勝率アップに寄与していきます。
(もちろんプレイング、構築力、時の運も非常に重要ですが)
そして、メタゲームは健全な環境(環境で使われるデッキのデッキパワーに大きな差がない状態)ほど流動的になり、不健全な環境(環境で使われるデッキのデッキパワーに大きな差がある状態)ほど固定的になります。
例えばWLD期の初期では、ニュートラルヴァンパイアのデッキパワーが突出しており、それ以外のデッキが約1ヶ月間ほぼ駆逐された状態でした。
ここ最近の環境ではナーフこそあるものの、Tier上位のデッキと勝率上位のデッキは流動性が高く、メタゲームは比較的健全であると言えます。
さて、ここまでメタゲームについて書いていきましたが、実際にメタゲームを把握するために重要な事が2つあります。
上にちらっと出てきた「Tier」と「環境勝率」になります。
Tierとはその環境における人気度(≒使用率)のことを指します。
攻略サイトでTier上位デッキについての記事がよく上がるので、この単語を見たことのある人は多いかもしれません。
このTierが高ければ高いほど、デッキを使っている人、デッキを意識している人が多いということになります。
ただ、ここで勘違いしてほしくない事が1つあります。
「Tier上位デッキは必ずしも勝てるデッキではない」という事です。
確かに人気があるという事は強いデッキではあるのですが、それは必ずしも勝ちに繋がるわけではありません。
例えばシャドウバースログの11月3週の解析ログ(http://shadowlog.com/s/trend/2017/46/0/)を見ると、使用数自体は超越ウィッチがトップ(使用数15209)ですが、勝率自体は46.8%と5割を切っています。
この状態は「超越ウィッチはメタゲーム上において不利な位置にある」ことを指しており、このメタゲーム上で安易にTier1だからと超越ウィッチを使用してもそこまで勝つ事はできないでしょう。
ではどのデッキを使えばいいのかということになりますが、ここで重要になるのが「環境勝率」です。
環境勝率が高いことは実際にその環境で勝ち抜けているデッキということになります。
例えば上の解析ログでは、アグロエルフ、疾走ビショップ、土ウィッチ、アグロヴァンパイアがいずれも勝率53%を超えており、この環境での勝者となっています。
つまり、この環境ではこれらのデッキを使った方が勝ちやすいということになります。
ただ、この結果もいつまでも続くわけではありません。いずれは勝率上位デッキ=Tier上位デッキの状態が訪れ、また対策されて入れ替わっていくでしょう。
主流デッキとの相性から時期主流デッキを予測しながらデッキ選択を続けていくことが重要となってきます。
メタゲームの輪廻の一歩先をいくのが理想ではありますが、かなり難しいことでもあります。
この記事が読んだ方々の環境理解の助けになれれば幸いです。
気が向いたら他のテーマについても書いていきたいと思います。
AA帯以上の方は経験的に把握してる方が多いと思うので、知ってる内容が多いかと思いますが、ご了承いただけたらなと思います。
今回はアーキタイプとメタゲームについてです。
アーキタイプについて
アーキタイプとは?
→数多くあるデッキを似たタイプごとに分類したものです。
伝統的に以下の3大アーキタイプがよく使われてきたが、最近はより細かく分類した6大アーキタイプが主流となっています。
3大アーキタイプ(説明は簡易)
・ビートダウン
フォロワーで攻め立てる攻撃的なデッキ
・コントロール
スペルやアミュレットも多く採用した防御的なデッキ
・コンボ
特定のカードの組み合わせで一気に勝ちに行くデッキ
ビートダウンの分類の曖昧さ、ビートダウンとコントロールの中間のデッキなど、分類しにくいデッキが多いため、6大アーキタイプの分類に発展していきました。
ここから、6大アーキタイプの説明に入ります。
()内は主なデッキタイプとなっています。
フィニッシュターンは読んで字のごとく、ゲームを決定づけられるターン数です。
・アグロ(アグロエルフ、アグロヴァンプ、アグロロイヤルなど)
1〜3コスト程度の低コストのカードをメインとして、手数で押すタイプの高速デッキ。
基本的に攻撃的なカードのみで構成されており、爆発力が高いが息切れしやすいです。攻めに回る時は強いが、相手に凌がれると一気に脆くなる傾向があります。
フィニッシュターンは5〜7ターン
初動が遅いコントロール、コンボ、ランプに有利。ゲームスピードが近くカードパワーがこちらより高いミッドレンジに不利
・ミッドレンジ(ニュートラルエルフ、マーズロイヤル、ヘクターネクロ、疾走ドラゴン、エイラビショップなど)
4〜6コスト程度の中コストのカードをメインとしつつバランスよくカードを使用した中速デッキ。
デッキ内の採用カードのバランスが良いため、相手に合わせて攻撃的な動きと防御的な動きを切り替えやすいです。
フィニッシュターンは7〜10ターン
ゲームスピードが近くカードパワーがこちらよりやや低いアグロに有利。除去が多く、こちらよりカードパワーが高いコントロールに不利
・擾乱的アグロ(土ウィッチ、疾走ビショップ、復讐ヴァンプ、原初ドラゴンなど)
2〜4コスト程度のやや低コストのカードをメインとし、相手の妨害をしながら効率よくダメージを与えていく中速デッキ。
ミッドレンジと比べ、低コストカードと除去や火力カードの比率が高いです。そのため、序盤から相手の動きを牽制しつつテンポ良くダメージを与えることが可能となります。
手札が噛み合えばどのタイプのデッキとも戦えるが、器用貧乏な側面もあり、攻撃に特化したアグロや防御に特化したコントロールに押される事も多いです。
フィニッシュターンは6〜8ターン
調整次第でどのアーキタイプとも大きな相性差はつきにくいです。ただ、それは「このデッキにはだいたい勝てる」ことが無いということでもあります
・コントロール(コントロールヴァンプ、イージスビショップ、ネフティスネクロ、冥府エルフなど)
低コストのカードは防御的なものを使用し、相手の動きをひたすら妨害した後に、カードパワーの高い高コストカードでフィニッシュを狙う低速デッキ。
高コストカードが多いため、序盤に一気に攻められると脆いが、中盤以降は相手の動きを全否定し盤面を制圧できます。
フィニッシュターンは8ターン目以降
カードパワーがこちらより低いミッドレンジやカードパワーは高いものの大味な動きの多いランプに有利。初動が速いアグロやこちらより先にゲームを決めてくるコンボに不利
・ランプ(ランプドラゴン、魔界ドラゴンなど)
実質ドラゴン専用のアーキタイプです。序盤はPP加速をメインで行いつつ守りを固めて、中盤以降に高コストカードを連打して一気に主導権を握る中〜低速デッキ。
序盤の加速に成功すれば6ターン目以降相手よりPPを2〜3多く使用できるため、手数とカードパワーで一気に形成逆転できます。
しかし、高コストカードと低コストカードが多い構成上、引きが噛み合わない事も多く、事故率は高いです。
フィニッシュターンは7〜10ターン
カードパワーがこちらより低いミッドレンジに有利。ゲームスピードがこちらよりやや速いコンボに微不利。こちらの動きを的確に捌いてくるコントロールと初動が速いアグロに不利
・コンボ(超越ウィッチ、OTKエルフ、骸ネクロ、ディスカードドラゴンなど)
序盤はドローと防御に徹し、中盤以降に特定のカードの組み合わせで一気に勝ちに行く中〜低速デッキ。
相手に妨害されづらく、コンボパーツと条件が揃えば相手を一気に倒すor圧倒的優位な盤面を形成できますが、序盤はコンボパーツを集めることが優先されるため、序盤から攻められると脆いです。
フィニッシュターンは6〜10ターン
ゲームスピードがこちらより遅いコントロールに有利。初動が速いアグロに不利
各アーキタイプの特徴は以上となります。
これらの特徴を理解する事で、後述するメタゲーム上において立場の良い(=勝ちやすい)デッキを選びやすくなります。
メタゲームについて
『先週は○○デッキとよく当たったが、ここ最近は全然当たらない。逆に××デッキとよく当たるように感じる。』
A帯以上のランクマッチをやる方は少なからず上の経験があると思います。
これは、「今の環境なら○○デッキを使えば勝てそうだ」「○○デッキが増えてきたからそれに有利な××デッキを使えば勝てそうだ」と考えて実行するプレイヤーが多いからです。
このように、「『周囲で多く使用されているデッキ』に有利がつくデッキ」を各プレイヤーが選択し、定期的にそのデッキの立場が入れ替わる状況の事をメタゲームと言います。
メタゲームはどんどんと変遷するため、ある時期に以前と同じ状況になる事もよくあります。
(例:Aに強いB→Bに強いC→Cに強いA→Aに強いB)
このメタゲームの変遷をうまく読み切って、立場の良いデッキを選択する事が勝率アップに寄与していきます。
(もちろんプレイング、構築力、時の運も非常に重要ですが)
そして、メタゲームは健全な環境(環境で使われるデッキのデッキパワーに大きな差がない状態)ほど流動的になり、不健全な環境(環境で使われるデッキのデッキパワーに大きな差がある状態)ほど固定的になります。
例えばWLD期の初期では、ニュートラルヴァンパイアのデッキパワーが突出しており、それ以外のデッキが約1ヶ月間ほぼ駆逐された状態でした。
ここ最近の環境ではナーフこそあるものの、Tier上位のデッキと勝率上位のデッキは流動性が高く、メタゲームは比較的健全であると言えます。
さて、ここまでメタゲームについて書いていきましたが、実際にメタゲームを把握するために重要な事が2つあります。
上にちらっと出てきた「Tier」と「環境勝率」になります。
Tierとはその環境における人気度(≒使用率)のことを指します。
攻略サイトでTier上位デッキについての記事がよく上がるので、この単語を見たことのある人は多いかもしれません。
このTierが高ければ高いほど、デッキを使っている人、デッキを意識している人が多いということになります。
ただ、ここで勘違いしてほしくない事が1つあります。
「Tier上位デッキは必ずしも勝てるデッキではない」という事です。
確かに人気があるという事は強いデッキではあるのですが、それは必ずしも勝ちに繋がるわけではありません。
例えばシャドウバースログの11月3週の解析ログ(http://shadowlog.com/s/trend/2017/46/0/)を見ると、使用数自体は超越ウィッチがトップ(使用数15209)ですが、勝率自体は46.8%と5割を切っています。
この状態は「超越ウィッチはメタゲーム上において不利な位置にある」ことを指しており、このメタゲーム上で安易にTier1だからと超越ウィッチを使用してもそこまで勝つ事はできないでしょう。
ではどのデッキを使えばいいのかということになりますが、ここで重要になるのが「環境勝率」です。
環境勝率が高いことは実際にその環境で勝ち抜けているデッキということになります。
例えば上の解析ログでは、アグロエルフ、疾走ビショップ、土ウィッチ、アグロヴァンパイアがいずれも勝率53%を超えており、この環境での勝者となっています。
つまり、この環境ではこれらのデッキを使った方が勝ちやすいということになります。
ただ、この結果もいつまでも続くわけではありません。いずれは勝率上位デッキ=Tier上位デッキの状態が訪れ、また対策されて入れ替わっていくでしょう。
主流デッキとの相性から時期主流デッキを予測しながらデッキ選択を続けていくことが重要となってきます。
メタゲームの輪廻の一歩先をいくのが理想ではありますが、かなり難しいことでもあります。
この記事が読んだ方々の環境理解の助けになれれば幸いです。
気が向いたら他のテーマについても書いていきたいと思います。
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