▪️飛ばしても全く問題ない序文
最近シャドバで初心者用のデッキを組む機会がちょこちょことありまして、そういう時はゲームプランがシンプルで財布に優しいアグロデッキを大体組むんですが、立ち回り方を理解してもらうまで結構時間がかかるんですね。
巷に溢れる攻略サイトの情報は表面的な物が多くて、初心者の方々向けとはお世辞にも言えないので、こうなったら自分で書いちゃおう。そう思ったので、拙い知識と語彙力を総動員してアグロデッキの本質(の1部)と大まかな回し方についてざっくりと書いていきます。
ちなみにこの記事は初心者〜初級者(〜A帯)ぐらいの方向けに書いています。
中級者以上の方々にとっては、わかりきった事しか書いてないと思われますので、あらかじめご了承ください。


▪️そもそもアグロデッキって?
ざっくり言うと「とにかく早く対戦相手のライフを削ることに特化したデッキ」です。
「テンポアドバンテージとタイムアドバンテージを取る事に特化したデッキ」と言い換えてもいいかもしれません。

テンポアドバンテージとは手数の優位性を意味します。
例えば、1ターン目に自分は1コストのフォロワーを展開して、対戦相手は何もせずにターンを返した場合は、1PP及びカード1枚分のテンポアドバンテージを得ています。また、先手4ターン目に対戦相手の出した4コストフォロワーに対して、後手4ターン目に2コストフォロワーを2体展開して、1体進化して相打ちを取った場合は、4コストの動きを2コストで対処しているため、2PP及びカード1枚分のテンポアドバンテージを得ています。
テンポアドバンテージを意識する事で対戦相手を手数で圧倒する事ができます。1枚1枚は弱くても群れればそれだけ対処は難しくなり、撃ち漏らしやすくなるからです。

タイムアドバンテージは説明が難しいのですが、「クロックの優位性」を意味します。
クロックとは各ターンに対戦相手に与えるダメージ量、もしくは対戦相手のライフを削りきるのに必要なターン数の事を指します。
2/2フォロワーで毎ターン対戦相手を攻撃した場合は2点クロックもしくは10ターンクロックを継続して与えています。
このクロックを対戦相手より多く有していることがタイムアドバンテージを得るという事になります。
自分の場が空で相手の場に6/6フォロワーがいる場合は相手が6点クロックを有しているため、4ターン以内に対処できなければゲームに負けてしまいます。6/6フォロワーを除去するか、倒される前にゲームを勝利するかに自分の行動が制限されているのがわかるかと思います。
このようにタイムアドバンテージを獲得し、これを維持できた場合には、対戦相手の行動を制限できるようになります。

低コストカードを多用して対戦相手を手数で上回り、ダメージクロックを常に相手より多く確保し、対戦相手が自分の動きをやってくる前に押し切る。これがアグロデッキの基本戦略になります。
そのため、アグロデッキにおけるカードの選定基準は他のデッキにおける選定基準とは異なる場合が多くなります。
基本的な構築ではPP増加に沿ってカードを使えるように緩やかなマナカーブ(デッキ内のカードを各コストのカード枚数で見た時のグラフ)を取る事が多いですが、アグロデッキは確実に1ターン目から動けるようにするため、対戦相手を手数で上回るために、1コストと2コストのカードの割合が高くなります。また、クロックを早めるために疾走持ちや火力を多く採用したり、対戦相手にクロックを刻みやすい潜伏持ちを採用したりしています。
単純なカードパワーよりも如何に速く、効率よく対戦相手にダメージを与えられるかが優先されるということですね。
そのため、単純なカードパワーで見ると他のデッキよりは全体的に低めになる事が多いです。


▪️で、どう回すの?
簡単です。とにかく全力で対戦相手をぶん殴ればいいんです。

初心者〜中級者がよく陥りやすいミスの中に、自分の場が1/1と2/2、相手の場が2/2が1体だけのような状況で2/2同士で相打ちを取りに行くという状況があります。中速〜低速のボードアドバンテージを意識したデッキなら正解なのですが、高速のアグロデッキにとってはかなり大きなミスとなります。
上の状況ではこのターンと次のターンに与えることのできるダメージ量は2+α(次のターンに使ったカードの分)点ですが、全て本体に攻撃した場合はこのターンだけで3点となります。例え返しで全て除去されたとしても与えたダメージ量では上回っています。
このように1点でも多くダメージを対戦相手に与える事ができれば、その分だけクロックが早くなり、対戦相手が使えるターン数や行動の選択肢が減っていきます。
逆にダメージをなかなか与えられずにズルズルと中盤戦に差し掛かってしまった場合は、対戦相手のカードパワーの暴力に押し切られてしまう事になります。1コストや2コストのフォロワーで6コスト7コストフォロワーを対処するのは難しいですよね。

なので、どう立ち回れば対戦相手により多くのダメージが与えられるかが最も重要になってきます。そうする事で相手が強いカードを使ってくる頃にはゲームの大勢を決することができます。
例えば、相手の手札にテミスを握っていたとしても、先手6ターンで相手を倒してしまえば、それは最初からこの試合では存在しなかったようなものです。もし、間に合ったとしても残りライフが2,3点しか残ってなければ、十分押し込みにいけるでしょう。
その為に進化権の切り方は基本的にはプレイヤーダメージを2点引き上げるために使用します。勿体ぶらずにガンガン顔面に使っていきましょう。
日和ったら与ダメージが減ります。与ダメージが減ったらそれだけゲームを決めるのに時間がかかります。時間がかかるという事は対戦相手の行動の選択肢が広がるという事です。対戦相手の行動の選択肢が広がると元々のデッキ内のカードパワーの差がもろに出て、ゲームをひっくり返されやすくなります。
速度は力です。そこを常に忘れないようにしましょう。

※アグロミラーでの後攻時の動きについて
この場合はこれまで説明した上記の内容はほぼあてはまりません。ご注意ください。
ミラーマッチ(同型戦)においては先攻側がどうしても先に展開できるため有利になります。
その為、後攻時は他のデッキと同じように、ボードアドバンテージも同様に意識する必要があります。
なので、テンポアドバンテージに意識を向けて、有利な盤面を維持しながら相手に隙ができたら一気に攻める擾乱的アグロ的な回し方になっていきます。
でもまぁ、初心者〜初級者のうちはそこまで意識する必要は特にないです。まずは基礎をしっかりと固めた方が勝てます
もしアグロミラーで後攻になった場合は相手がチキることを祈りつつワンチャンを信じて万歳突撃してください。相手が日和ったら勝てます。


▪️最後に
最初に抑えてほしいアグロデッキのポイントは2点です。
・盤面はそこまで気にせず、とにかく顔面を攻める
・どう立ち回れば与ダメージが最も高くなるかを常に意識する


多分A帯ぐらいまでならこの辺りを抑えておけばサクッと勝てるとは思います。実際にTCG経験0でシャドバ始めたての職場の同僚に先月ほぼテンプレのアグロヴァンプを渡して、上記の内容を教えたところ、3週間でAAまで上がっています。
さすがに基礎をいろいろとすっ飛ばしたツケが回ったのが快進撃はAAで止まりましたが、それでもTCG知識も経験も無い状態からでも、デッキの性能を上手く引き出してここまで行けるという事です。
好きなデッキを使う事は大事ですが、もし、とにかく早くランクを上げたいのであれば、上記を理解した上でアグロデッキを握るのが近道かもしれません。

シャドバ界隈の攻略記事は初心者〜初級者に優しくないものが多いので、初心者〜初級者向けの戦略記事をネタが浮かび次第、自分の復習がてらこれからもちょこちょこと書いていこうと思います。

コメント

nophoto
通りすがり
2021年7月23日17:08

大変興味深く拝読しました。
いまシャドバのローテーションで初めてアグロのロイヤルデッキを組んでいたのですが、なかなか勝てずこちらにたどり着きました。
立ち回りについてもとてもわかりやすく、実際にこの通りに顔をひたすら殴りに行く、進化権や乗り物は顔を殴れるフォロワーに使うなど実践してみましたところ露骨に勝率が上がりました。たかが1,2点でも積み重なると大きな差になりますね。大変勉強になりました、ありがとうございました。

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